血液透析濾過(HDF)とは、血液透析(HD)に濾過(HF)を加えた治療法です。HDFではダイアライザーよりも圧に耐えられる中空糸を使用したヘモダイアフィルタという人工腎臓を使用します。 濾過を行うには除水と同じように血液側から透析液側へ水を引っ張ることが必要となります。そのため、血液に補液を行い、補液した分を透析液側へ引っ張ることで多量の濾過を行います。濾過を加えることで通常の透析では抜けきれない大きな物質(蛋白質領域)を多く取り除くことができます。
HDFにはオフラインHDF、オンラインHDF、IHDFがあり、当院ではオンラインHDFとIHDFを採用しています。
オフラインHDFは、瓶や補液バックに入った補充液を使用しますが、6~12L程度と使用できる量も限られています。
オンラインHDFは、清浄化した透析液を補充液として連続的に血液回路内へ注入するため、4時間に24~48Lもの濾過を行うことができます。
大量の濾過を行うことで、透析患者さんの合併症である、関節痛を伴う透析アミロイド症、足がムズムズするレストレスレッグス症候群、皮膚掻痒感などの原因物質である蛋白質を除去することが可能となります。しかし、透析患者さんに必要な蛋白質(アルブミン)も一部除去されてしまうため、栄養状態や他のデータに影響していないか細かく確認しています。