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カキクケコ
透析外来
腎臓の働きと透析療法について
腎臓の役割

腎臓の役割には以下のものがあります。
①体に溜まった余分な水分と老廃物を尿として体の外に出す
②赤血球を作るホルモン(造血ホルモン)を作って貧血を防ぐ
③カルシウムの吸収を促す活性型ビタミンDをつくり、骨を丈夫に保つ
④電解質(ナトリウム、カリウム、リン他)のバランスを整える
⑤血圧を調整する
⑥血液を弱アルカリ性に調整する
など、目に見えないさまざまな働きをしています。
腎臓は、からだを正常に保つために、とても重要な役割を果たしています。

透析療法は、腎臓の働きが弱くなった患者さんに対して、腎臓の働きの一部を人工的に補う治療法です。
透析療法は主に「血液透析」と「腹膜透析」があります。
「血液透析」と「腹膜透析」のどちらを選択するかは、それぞれの特性と患者さんのライフスタイルを十分に理解する必要がありますので、導入前に医師より詳細な説明をおこなっています。

血液透析(HD)とは
血液透析では、ダイアライザーと呼ばれる人工腎臓に血液を送り込み、余分な水分・老廃物の除去と電解質を調整した血液を再び体内に戻す治療法です。
通院は基本的に週3回で、治療時間は1回あたり4時間程度です。
血液透析をはじめる前に
血液透析では身体からたくさんの血液を連続的に取り出す必要があるため、腕に動脈と静脈をつなぎ合わせた「シャント」を作成します。動脈と静脈をつなぎ合わせる手術を行うことで、静脈に多くの血液が流れるようになり、血液が取り出しやすく針が刺しやすい太い血管になります。
ダイアライザーとは
ダイアライザーは主に、積層型と中空糸型に分類され、現在では中空糸型が主流となっています。
中空糸型ダイアライザーには筒状の透明プラスチックケースの中に細い(内径180~200ミクロン程度)ストロー状の中空糸といわれる透析膜が約1万本入っており、側面には無数の小さな穴が空いています。
中空糸の内側を血液、外側を電解質などが調整された透析液が流れることで、側面の小さな穴から血液中に含まれる老廃物(尿素やクレアチニン)、たまりすぎた電解質(カリウム、マグネシウム、リン)が透析液側へと移動します。反対に透析患者さんが不足しがちなカルシウムや重炭酸イオンは透析液側から血液側に補充されます。余分な水分は透析装置内にある除水ポンプで血液側から透析液側に引っ張って除去します。
血液の浄化と余分な水分除去により、透析導入期によくみられる、食欲不振、むくみ、呼吸困難などの症状が徐々に改善していきます。
血液凝固剤の役割
血液は身体の外へ出すと数分で固まってしまう性質を持っています。血液透析は、血液を身体の外に出して4時間程度連続して循環させる必要があるので、血液が固まらないように抗凝固剤というお薬を投与しながら透析を行います。
通常ではヘパリンという抗凝固剤を使用しますが、軽度の出血傾向の場合には低分子ヘパリンを、手術やケガなど出血しやすい状態の場合にはメチル酸ナファモスタットを使用し、患者さんの状態に合わせて抗凝固薬を選択します。